こんにちは、よしてるです。

それはそうと、相手のことを信頼してときには無茶振りもできるお仕事パーソンになりたいなと思ったりもします。

無茶な仕事を振られて、「なんでこんな仕事をやらなきゃいけないんだ」と憤りを覚えたことがある人は多いはず。もちろん、私も何度もあります。そういうエピソードはワルイよしてるがしっかりと心のメモにしたため続け、仲いい人と喋るときの愚痴のネタとなります。

とはいえ、仕事の無茶振りというのはどうしてもあるものです。毎回相手のことを心の中で睨みつけるだけでは、まぁ生産性がありません。

そこで今回は、それなりに仕事の無茶振りを乗り越えてきたつもりの私よしてるが、どんなマインドセットで、つまりどういう心持ちで「自分にとってのプラス」にしてきたかを公開してみようと思います。

なお、無茶振りとはいえ常識的な範囲に収まる程度の仕事、ちゃんと上司や会社が尻を持ってくれるような仕事などは省きます。今回取り扱うのは、常識的に考えてそんな振り方せんやろというものです。

「この仕事できない人はチームを外します」

このセリフだけで良し悪しを判断することは難しいかと思いますが、こんな状況でした。

  • これを言った上司とは拠点が違い、チームとのコミュニケーションはほぼない
  • 手を上げた人が集まったというよりは集められたチーム
  • この仕事というのは覚えればOKというものではない

3つ目をもう少し掘り下げると、これはとある文章スキルでした。ライターチームでしたので、もちろん文章スキルは求められますが、少しテクニカルな内容のものでした。テクニカルな文章スキルは、モノにするまでちょっと時間がかかりますし、これができないからといってライターの仕事ができないわけではありません。

ただ、私が憤ったのは内容ももちろんですが、その上司が部下を切り捨てるようなスタンスで発言したことです。チームのみんなと会ったことはもちろん、ろくに話したこともないのにです。

私はチームのリーダー的な立ち位置でしたので、まぁ怒りまして、自分の拠点で相談できる別の上司にすぐ報告に行きました。

とにかくやってみること

別の上司に報告しに行ったら、私の怒りに共感してくれましたが、同時にアドバイスもくれました。

それって100%不可能なことなのか、がんばればクリアできる課題なのか。がんばればできるとしたら、それはまずやってみたらいいのではないか。

このとき、チームリーダー的な立ち位置とはいえ、まだ社会人経験の浅い時期でした。そういうこともあり、部下を切り捨てるような上司が100悪い!という怒りだけが先行して、できることをまずやってみるという思考がなかったんですね。

なるほどと納得し、チームメンバー全員がこのテクニカルなスキルを理解して文章を書けるようにするにはどうすればいいのか、考えることにしました。考えてレクチャーした結果、チームメンバー全員が理解し、この上司の要求をクリアし、誰1人外されることはありませんでした。

最初は無理難題を押し付けられたと思ったものですが、やってみればできることだったわけです。もちろん、高い要求に答えてくれたチームメンバーも誇らしかったです。

部下を切り捨てるような上司が悪いことは変わらないものの、要求をクリアした上で「でもあなたこんなこと言いましたよね?」と文句を言うのと、無茶振りされて反射的に反発するのとでは、自分の得られるものがだいぶ違ったなと感じました。

なお最初の上司については、その後心が交わることはなかったですね。でも私は無茶振りを乗り越えて1つ仕事のスキルを身につけたので、まぁ勝負ごとではないものの、勝ったような気持ちで精神状態はだいぶよかったです。

「1人で写真と動画どっちも撮ってください」

私は自己紹介で1つ職業を言うなら「ライターです」と名乗りますが、カメラマンの仕事もできます(完全に余談ですが、今はあまりマンとはいわないのが潮流ですね。でもなかなかカメラパーソンとはいいにくい)。

カメラの仕事をいただけることは大変ありがたいことなのですが、「写真と動画どっちも撮ってください」と言われたときはさすがにどうしようかと思いました。

なおこの案件は取材であり、カメラマンが主導してコントロールできるものではありませんでした。取材を進めていくのでカメラのほうはよろしく、という感じ。
今の時代、カメラマンのワンマン運用は珍しくないですが、取材で写真も動画もどっちも撮ってというのはなかなかの無茶振りかなと思います。

これ乗り越えたら手持ちスキルが増える / 死ぬこと以外はかすり傷

ではどうしたかというと、相当な無茶振りではあるものの、この仕事をやりきったらスキルが増える!と前向きに捉えることにしました。

少しテクニカルな話をすると、写真も動画もどっちも撮らなきゃいけない場合、動画を優先的に回すことになります。写真は動画から切り出せるからです。
ただ、写真と動画では仕上がりの要求が違うため、普通に動画を撮る目的で撮った映像から素晴らしい写真が切り出せるかというと、そうではありません。そのため、カメラの設定的な部分はもちろん、カメラワークでも工夫が必要です。かつ、余裕がありそうなときは写真に切り替えてきちんとした写真も押さえておく、ということもしたいため、限られた時間でどう運用するかというスキルも必要となります。

言うは易しで、写真と動画の同時撮りはとても難しいことです。でも私はこの仕事を無事やり遂げましたので、無茶振りに対してまたも勝利を収めました。

あ、でも、もしご依頼いただける場合でも「写真と動画どっちも撮って」はできればご遠慮ください。このときはたまたま上手くいったものの、普通に考えて成果物のクオリティを保障できません。

マインドセットの部分では、スキルが増える!という前向きな捉え方ももちろん有用かなと思いますが、もう1つ、「死ぬこと以外はかすり傷」という考え方もこのときの私を支えていました。

「死ぬこと以外はかすり傷」は私の尊敬する人が口にしていたことで、私の根底あたりでいい感じに居座ってくれている言葉です。この言葉に出会ってから、人生が少し、特に仕事関係で楽になったと感じています。

いくら無茶振りの仕事とはいえ、引き受けた以上(選択の権利がどれくらいあったかに関わらず)、失敗したときがどうしても怖くなります。
きっとクライアントには怒られるでしょうし、上司にも怒られるかもしれませんし、クライアントは得られるはずだった成果物を得られません。仕事ができないやつだと認識され、もう仕事をもらえないかも。他の人にもそう噂を流されたらどうしよう。

不安は尽きませんが、仮に失敗していったんは怒られたとしても、相手は自分が思うほどこちらのことを下には見ないものです。ちょっと嫌な言い方をすれば、そこまで興味を持ってくれません。
他人は自分が思っているほど自分に興味を持っていないので、たいていの失敗は後を引かずに消えていきます。

また、仕事相手ガチャに失敗して本当にやばいクライアントや上司に見舞われたとしても、すぐさま「離れる」選択肢を取ります。日本には1億人も人がいるのだから、別のところへ行けば何か仕事はあります。

死ぬこと以外はかすり傷なんですね。まぁ実際には、私もまだまだ物怖じすることは多いですが。

「1人で現地へ行って現地スタッフと調整してライブ配信と動画投稿してください、クライアント側は誰も行きません」

さっきの無茶振りのスーパー進化版です。

クライアント側は誰もいないというのがミソ。繰り返し行っている案件なのでクライアントがいなくても仕事が回るとか、難易度が低いためコストを下げられるとか、そういう話ではありません。

クライアントと私どちらにとっても未知の案件でしたが、なんと1人で行かされてしまいました。

一番しんどかったのは「現地スタッフとの調整」でした。

少し余談ですが、周りの人には言っても嘘だと言われがちなのですが、大学までわりとちゃんとしたコミュ障でした。コミュ障ゆえに大学を2年も留年したのでガチです。ただ、社会人になるときにがんばって克服したのです。

周りに恵まれたこともあり、自分がコミュ障だったことも記憶から消えていたくらいでしたが、「現地スタッフとの調整」で久々にぶり返しましたね。声をかけるのもしんどくて、本気で逃げて帰ろうかとも思いました。まぁ、本来私のやることではないんですけどね。

あとは、撮影の難易度もスーパーハードでした。詳細は特定防止のため割愛しますが、2つ目の「写真と動画どっちも撮って」よりも遥かに上です。
「失敗してもいい」というよりは、この案件は失敗に終わるだろうなと覚悟を決めていました。

これは話のネタになる

このレベルになってくると、もうこれくらいしかマインドセットはないんじゃないかなとも思います。

結果をいえば、なんとこの仕事は成功しました。
ほとんど奇跡だったなという感覚ですが、いろいろなセクションの人が自分にできる仕事を全うしたからかなと思っています。おかげで私は自分以外からのイレギュラーゼロで、自分のタスクに集中できたのです。

ただ、一応成功しましたというふうにはなったんですが、1つ大きな事故が裏にありました。これも特定防止のため詳細は伏せますが、このせいで案件中、私は胃に穴が空く思いでした。

この事故は私の責任ゼロだったものの、なるほどこんなことが起きうるのか、という発見でもありました。そのため、私は終わってからそのことについて勉強し、今まで知らなかった大きな知見を得られました。

もう話のネタにするしかない、というくらいどうしようもない無茶振りでしたが、私自身はけっこう大きな棚ぼたをもらえたという感じです。仮にこの案件が失敗していたとしても、私の責任はゼロでしたので、胃に穴が空きそうな以外はノーリスクで大きな課題をゲットできたということですね。
がむしゃらにやってみれば、意外といいこともあるかもしれません。

なお私はこの大きな課題を案件の関係者の誰にも共有していないので、課題から得られる成長は独り占めです。これくらいの優越感は許してほしい。

まとめ:無茶振りは手札を増やす

私のマインドセットが誰かしらの参考になるかどうかはわかりませんが、興味深く読んでいただけたとしたら幸いです。

いずれのケースも、無茶振りに対してどうにかチャレンジしてみたら、今後につながる何かしらの手札を増やす結果となりました。もし逃げていたとしたら、それを責める人はきっといないでしょうが、今の私がいないことは間違いありません。

無茶振りなんかなくても人は成長できるので、今後はもう少し穏便に仕事したいとは思うものの、そう都合のいいようにはならないでしょう。
どうせ無茶振りされるんだったら、吸収して自分の糧にしてやるくらいのマインドセットで挑むほうが、仮に失敗したとしても、大枠ではいい結果になるはずです。

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