指示待ちから脱却!チームの当事者意識を高めた2つの方法
みなさん、こんにちは。LOVELETTER WORKS 株式会社の篠原です!
みなさんは上司から「もっと当事者意識を持って」と言われたり、または自分自身のメンバーに対して「当事者意識を持って主体的に行動して欲しいな…」と悩んだりした経験はありませんか?
チームや組織で働いているとたびたび課題としてあがる「当事者意識」。
今回は、過去に私がリーダーとして関わった新卒採用立ち上げプロジェクトで直面した体験をもとに、当事者意識とはなにか?主体的なチームづくりのために行ったことを共有します。
目次
経験ゼロの新卒採用チーム立ち上げ!立ちはだかる「指示待ち」の壁
ある企業から「新卒採用を今年から本格的に始めたい。採用戦略から施策実行、運用フローまでイチから作り上げてほしい」という依頼をいただき、新卒採用活動の立ち上げプロジェクトのリーダーとして関わることとなりました。
新卒採用チームにアサインされたメンバーは全員別職種からの異動で採用経験ゼロ。 さてどこから手をつけたらいいものか…と思いながらも、私はまず一つの方針を決めました。
メンバーが「自分たちが会社をつくっているんだ」という当事者意識を持って採用活動に取り組むチームにする。
採用活動は、会社の未来を左右する重要なミッション。けれど、実際は、社長や役員が最終的な採用可否を決めることが多いですよね。
だから、「どうせ最後は社長が決めるし…」って、ついつい1次や2次の面接が流れ作業になってしまったり、全部社長任せになってしまうことがあります。
けれど、最終面接って誰でも緊張するもの。普段の顔が見えにくかったり、良いところばかりアピールしちゃって、本音や弱みが隠れてしまうことも多いんです。
そうなると、本当に会社に合う人材なのかを見極めきれず、入社後に「こんなはずじゃ……」と、お互いに不幸になってしまう可能性も。
そこで、採用担当者も「採用=仲間づくり」の当事者だという意識を持つことが重要なんです。
当事者意識を持つことで、「最終面接までに自分ができることって何だろう?」と考えられるようになります。
例えば、採用活動を成功させるために、自分の役割を「候補者の本当の姿を引き出すこと」と定義すれば、マニュアル通りの質問だけじゃ物足りなくなり、「もっと踏み込んだ質問をしてみよう」「雑談でリラックスしてもらおう」「この人が活躍するにはどんなサポートが必要かな?」と、いろんなアイデアが湧いてくる。
そうやって「自分の立場や役割だからこそできること」を考えるうちに、視野が広がって、どんどん主体的に動けるようになります。
もちろん、失敗することもあるけれど、それも成長の糧。成功体験を積み重ねることで、自信がついて、できることも増えていくはず。
結果、最終決済者である社長や役員からも意見を求められたり、信頼してもらえるでしょうし、ひいては会社全体の採用力も上がると思っています。
だからこそ、外部コンサルである私が引っ張っていくのではなく、メンバーが主体的に取り組むチームにしていきたかったんです。
どうすればいいですか?の嵐…チームの当事者意識を高めるために実践した2つのこと
ところが、戦略設計をしていざ採用活動が始まると、「どうすればいいですか?」の嵐。 また、それぞれが自分のタスクをこなすことに精一杯で、チームとしての連携が取れずに、 工数が余計にかかってしまうこともしばしば。
もちろん、初めての経験なので分からないことがあるのは当然です。でも、このままじゃいつまで経っても自信がつかないし、自分で考えて動けるようにならないと思いました。
そこで、私は当事者意識を持ってもらうために、2つのことを実践しました。
1.「当事者意識=責任を一人で負う」という勘違いを解消!
メンバーの言動を観察していると、「当事者意識を持つ=全て一人で責任を負う」と勘違いしているのでは?と気がつきました。
「責任」って聞くと、失敗したらどうしよう……って不安になりますよね。でも、当事者意識って、もっとポジティブなものなんです。
当事者意識は英語で「Sense of Ownership」「Commitment」と表現されます。
私なりに言うと、「自分ごと」という感覚。
「問題や状況に対して、自分ができることを最大限考えて、その役割を率先して行う」というイメージです。一人で抱え込んで全て解決する、結果の責任を負うというのとはちょっと違うんですね。
当事者意識=一人で全部やる、結果の責任を負うことというイメージを持っていると、特に経験のない分野であれば分からないことが多いので、誰かの指示が欲しいという気持ちになってしまうのも分かります。
でも、「自分がうまくやること」よりも、「プロジェクトがうまくいくこと」に目を向けて、必要なこと・自分ができることを明確にする意識が大切です。
そうやって、プロジェクトの成功のために一つ一つ自分ができることを考えて、役割を全うしていくと、成功体験を積むことができ、結果できることが増えていくので、当事者意識をもっと持ってるようになる……という好循環に入ることができます。
メンバーには、「一人で抱えてほしいわけじゃない、チーム全体で何をするべきなのか、その中で自分は何ができるのかを考えていこう」と伝えると、少し気持ちが楽になったというコメントをもらうことができました。
2. 自分の頭の中をメンバーに見せる!
もう一つ重要なのが、自分の考えをできるだけオープンにすること。
ビジネスでは「結論ファースト」が重視されがち。 でも、その裏側にある「なぜそう考えたのか」「どんな葛藤があったのか」を共有することで、メンバーが「一緒に考えている」と感じ、主体的に動けるようになるのでは、と考えました。
具体的には、
- 目的を共有する
- 背景を説明する
- 意思決定にいたるまでの悩みや葛藤を共有する
ことを意識的に行いました。
意思決定までのプロセスが分かることで、メンバーは正解ではなく最善を見つけにいこうとしていることを理解してくれ、「だったら、こんなこともできるのでは?」と少しずつアイデアを出してくれるようになりました。
もっと積極的にアイデアを出してほしい時に、自分の結論を伝えた上で、つい「どう思う?」と急に投げかけてしまうことがありますが、受け手側からするとすでに決まっている(と思える)事柄に対して、自分の意見を言うのってなかなか難しいですよね。
相手に考えを話してもらいたいなら、まず自分の考えをオープンに話す。 これを心がけるだけで、少しずつ建設的な意見が出てくるようになり、時には自分だけでは思いつかなかったアイデアが出てくるようになりました。
当事者意識が芽生えると、チームが変わる。
今回は、私の体験談から「どうすればメンバーに当事者意識を持ってもらえるか」を考えてみました。
もしかしたら、この記事を読んでいるあなたは、上司から「当事者意識を持て」と言われて悩んでいたり、「もっと当事者意識を持って活躍したい!」と願っていたりするかもしれません。
もしそうなら、そんなに難しく考えなくて大丈夫。
まずは、身近な上司や部下、クライアントのために「自分には何ができるかな?」って考えてみることから始めてみましょう。
上司やリーダーは、まるで最初から答えを知っていたかのように見えるかもしれません。でも、それは「これでいいのか……?」と裏でたくさん悩んだ末の結論だったりするんです。
だから、あなたが「この仕事は、こういう目的で、今これをやる必要があるんですね!じゃあ、私、これができます!」って伝えるだけで、きっとすごく喜んでくれるはず。
そうやって、少しずつ視野を広げて、できることを積み重ねていけば、いつの間にかみんなから頼られる存在になっているでしょう。
「自分ごと」として仕事に向き合えば、仕事はもっと楽しく、もっともっとやりがいのあるものになる。私はそう信じています。