「広告運用を任されたけど、予算を変更するタイミングがわからない」

初めて広告運用を任されたとき、わたしは予算を変更するタイミングに悩みました。

こんにちは。LOVELETTER WORKS株式会社の長浜です。

今回は、Instagram(インスタグラム)広告に関する知識がほぼゼロだったわたしが直面した、予算の設定・変更するタイミング、広告の効果を高めるポイントについてお話します。

そもそも広告の予算とは?

広告は当然のことながら費用が発生するため、予算を決めておかなければいけません。

Instagram(インスタグラム)広告の1日の最低出稿金額は100円です。ほかの広告に比べて低コストで利用できるのが魅力です。

ただし、「1日の最低出稿金額が100円なら、100円で設定しよう」というやり方はあまり望ましくありません。なぜなら、広告の効果が得られないからです。

たとえば、1日の予算を自社が100円、競合が1,000円で設定している場合、自社の優先度が低くなります。つまり、広告が表示されにくくなるのです。

Googleで検索した際、上に「スポンサー」と記載されているのを見かけますが、あれも広告です。予算の設定額によって表示される箇所が変わり、1番上に表示されている広告のほうが下に表示されている広告よりも設定金額が高くなっているのです。

このように、広告の設定額によって優先度が変わるため「コストを抑えたいから低く設定したほうがよい」というわけではないのです。

Googleで検索した際に出てくる広告に関しては、昔勤めていた会社でアド広告を運用しているチームの方から当時説明を受けたのですが、そのときは「よくわからない……」という感想しか出てきませんでした。Instagram(インスタグラム)広告を運用するようになって「そういうことか!」とようやく理解! 

何でも実際にやってみないとわからない(理解できない)ものですね。

広告の予算はいくら設定すればよいのか?

広告マネージャの予算の管理方法は「通算予算」と「1日の予算」の2種類です。

通算予算は指定した期間の累計で、たとえばクライアントから「予算は5万円」と言われた場合、広告マネージャの通算予算に5万円と入力します。期間中に予算が5万円に到達すると、広告の配信がストップします。
通算予算は、「設定した金額を超えたくない場合」に有効です。

1日の予算は、日によって予算を変更したい場合に設定する管理方法です。

たとえば、1日に2,000円と設定するとその金額に到達した時点で広告の配信がストップします。そして0時になると広告の配信が再開されます。
1日の予算で設定する場合、クライアントから「月の予算は5万円で」と言われていればその金額を超えないように注意しなければいけません。もし23時時点で5万円近くになっていたら寝ている間に5万円をオーバーしてしまう可能性があるため注意が必要です。

通算予算はクライアントから伝えられた予算を広告マネージャに入力するだけなので簡単ですが、問題は「1日の予算」と「1日の予算を変更するタイミング」です。

1日の予算はいくらに設定する?

1日の予算を決める場合、配信期間を考えて最初は少し低めに設定するとよいかもしれません。たとえば、1ヶ月の配信で予算が10万円の場合は、フィード広告2,000円・ストーリーズ広告2,000円というようなイメージです。この場合、2つの広告を配信するのでデイリーの平均消化金額は4,000円になります。

もし設定した予算の2,000円をしっかり消化した場合、ずっとこの金額で配信を続けると配信希望期間よりも早く予算額に達してしまうので、日によって調整が必要です。また、きっちり2,000円で配信がストップするとは限りません。あくまで平均金額なので、2,000円以上消化されることもあります。

設定した予算が消化されない場合、毎日2,000円のままだと1ヶ月で5万円〜8万円ほどになる可能性があります。この場合は、予算を増やしたりクリエイティブを変更・追加したりする必要があります。

1日の予算を変更するタイミング

わたしが初めて対応したときに難しいと感じたもののひとつが、「1日の予算を変更するタイミング」です。

たとえば、最初はフィード広告2,000円・ストーリーズ広告2,000円で設定しても、ずっと同じ金額というわけにはいかないので、その日の結果を見て判断しなければいけません。もちろん、一つひとつの広告の結果の単価やリーチ、インプレッションなどの状況も見る必要があります。

個人的には、以下の流れで予算を設定したほうがやりやすいと感じました。

  • 1. 最初は予算を低く設定して2〜4日ほど様子を見る
  • 2. 少しだけ予算を上げて数日様子を見る
  • 3. 効果が出ている広告の予算を上げる・効果が出ていない広告は予算を下げる
  • 4. 残り期間に応じて調整する

もちろん広告の効果状況によって変わりますが、最初に予算を上げてあとから調整していくのがやりやすいと思います。

ちなみに、「見れない間に予算を超えそう……」というとき、わたしは予算設定を下げるか、配信を一時停止して対応しています。
また、予算が5万円の場合、4万9千円あたりからこまめに確認し、「残り300円で5万円になる」というタイミングで配信を一時ストップします。前日分の金額が翌日に反映されることもあるので、配信を停止するタイミングも個人的にかなり難しいと思います。

予算を最大限活用して広告の効果を高めるポイント

予算はただ消化すればよいわけではありません。消化するだけなら1日の予算額を上げて、結果の単価が数百円の状態のものでも配信を続ければよいだけです。
ですが、それは決してやってはいけないこと。広告運用をするなら、いかに予算を抑えて効果的な広告を配信するかが大事です。
ここでは、予算を広告の効果を高めるポイントをまとめていきます。

1. 目的を明確にする

広告を出稿する前に、まずはキャンペーンの目的を明確にしなくてはなりません。目的が不明確だと、適切な予算配分や広告運用が難しくなります。
広告を配信する主な目的は以下のとおりです。

認知度ブランドや商品を多くの人に知ってもらう
トラフィック広告から自社のサイト・アプリなどへ遷移してもらう
エンゲージメントコメントやいいねを促す
リードサービス・商品に興味を持つ人の名前やメールアドレスなどの情報を集める

目的を定めたうえで、それに適した広告フォーマットやターゲティングを設定することが重要です。

2. 適切なターゲット設定を行う

Instagram(インスタグラム)広告では、詳細なターゲティングが可能です。
ターゲットを設定する際は、年齢・性別・地域などを細かく設定するとよいでしょう。そうすることで無駄な広告配信を避け、効率的に予算を活用できます。

とくに、地域に特化したサービスの場合は、地域設定をしないと全国のユーザーに配信されてしまうので、絞り込みは必須だと思います。わたしが対応している案件は地域に特化したサービスを提供しているため、マップを表示させ、その場所にピンを置いて「◯km」で絞り込んでいます。そうすれば、その地域に住んでいる人や最近その地域にいた人にリーチできるので、効果的な配信が行えます。

3. クリエイティブを最適化する

広告のクリエイティブは、ユーザーの関心を引きつける重要な要素です。高品質なクリエイティブを作成することで、より少ないコストで高い効果を得ることができます。

効果的なクリエイティブのポイントは、「ビジュアルのインパクト」「短くてわかりやすいテキスト」だと思っています。フィードやストーリーズに広告が表示された場合、ビジュアルにインパクトがないとスルーされてしまいます。また、テキストがごちゃごちゃしていると読もうとは思わないでしょう。伝えたいことが多い場合は、クリエイティブを複数に分けるのがよいと思います。

ただ、ここで気をつけたいのが、とにかく分ければよいというわけではないこと。たとえば、スイミングスクールで「A地区 送迎を行っています」「B地区 送迎を行っています」「C地区 送迎を行っています」という場合、個別に作成するよりも1枚にまとめたほうがよいとわたしは考えています。なぜなら、地域で設定していればA地区・B地区・C地区に住んでいる方に配信されますし、A地区の方に「C地区 送迎を行っています」と配信されてもユーザーが興味を示さないからです。いわゆる、無駄な配信になってしまうのです。

「送迎を行っています」「料金はいくらです」など、別のことを伝えたいときにクリエイティブを分けたほうが効果的だと思います。

4. 最適な広告フォーマットを選択する

Instagram(インスタグラム)広告には複数のフォーマットがあり、それぞれ特性が異なるため、目的に応じて最適なフォーマットを選ぶ必要があります。
主な広告フォーマットと特徴は以下のとおりです。

フィード広告通常の投稿と同じ形で自然に表示される
ストーリーズ広告画面全体に表示され、視認性が高い
リール広告短い動画形式で若年層に効果的
カルーセル広告複数の画像や動画をスライドで見せられる

クリエイティブを用意する際は、フォーマットに合わせる必要があります!
基本的に「フィードなら“配置”でフィードを選択」「ストーリーズやリールなら“配置”でストーリーズとリール」を選択すればよいのですが、Facebook広告のストーリーズを配信する場合は要注意!

以前、Instagram(インスタグラム)広告はOKだけど、Facebook広告はアイコンが文字に被っていることがありました。
Facebook広告も配信するなら、Instagram(インスタグラム)用と分けるか、Facebook広告に合わせて作成する必要があります。

5. 広告配信時間と頻度を調整する

広告を配信するタイミングや頻度も、効果に大きく影響します。ターゲット層がもっともアクティブな時間帯に広告を表示することで、より多くの反応を得られます。
配信時間を決める際のポイントは以下のとおりです。

・ターゲット層の活動時間を分析する
・曜日ごとのパフォーマンスを比較する
・頻度を適切に設定する

Instagram(インスタグラム)のインサイト機能を活用できる場合は、フォロワーの活動時間を調べることができます。アクティブな時間帯を狙って、配信したり予算をアップしたりすると効果的な配信を行えます。

また、曜日ごとにパフォーマンスを比較して、パフォーマンスが高い曜日を狙って配信を行うのも効果的です。

このほか、頻度を適切に設定することも大事です。過剰な表示は、ユーザーに嫌がられる可能性があります。もし常に表示させたい場合は、デザインがまったく違うクリエイティブを複数用意しておくとよいでしょう。

配信時間を調整することで、同じ予算でもより多くのユーザーにリーチできるようになります。

6. データ分析と改善を繰り返す

インスタグラム広告の効果を最大化するには、運用後のデータ分析が必須です。広告マネージャを活用し、どの広告が効果的だったのかをチェックします。
分析すべき指標は以下のとおりです。

・インプレッション数(広告が表示された回数)
・クリック率(CTR)(広告をクリックした割合)
・コンバージョン率(実際の購入や問い合わせにつながった割合)
・広告の費用対効果(ROAS)(投資した広告費に対する売上)

A/Bテストを行うため、わたしは「同じ画像で違う文章」のクリエイティブを2枚用意してもらっています。そうすることで、効果的なクリエイティブを見つけていくことができます。
ただ、配信期間が短い場合はデータ分析と改善が難しいことも。その場合は、なるべく多くのクリエイティブを配信して、効果が出ているものだけを残すのもよいと思います!

まとめ

広告運用をするうえで、予算をうまく設定することは非常に重要です。最初から高く設定すると予定していた期間よりも配信が早く終わってしまう可能性がありますし、反対に予算を低く設定して広告運用を進めると効果があまり得られなくなってしまいます。

予算調整は個人的にまだ苦手意識がある分野なので、引き続きがんばっていきたいと思います。

関連記事