みなさん、こんにちは。

LOVELETTER WORKS 株式会社の篠原です!

私は、Webマーケターと人事の二足のわらじで働いています。多忙な日々の中での息抜きは、大好きな海外ドラマ!スリリングな展開や巧みな心理描写にどっぷり浸かる時間は、至福のひとときなのですが、「もっとスキルアップのために時間を使うべきでは…」と、自己嫌悪に陥るようになってしまいました。

そんな時、偶然目にしたのが、リクルートやアマゾン・ジャパン、LINEなどで活躍された人事のプロ、青田勉さんの記事。日本中で大きな話題となったオーディション番組Nizi Projectを人材育成の観点から分析されていて、「好きなことだって、工夫次第で仕事に活かせるんだ!」と衝撃を受けました。

Nizi Projectは「人材育成の教科書」だと、人事のプロが断言する理由

「大好きな海外ドラマを仕事に活かせないかな…?」

そう思った私は、海外ドラマから得た知識や気づきを、仕事にどう繋げられるか考え始めました。

「どうやら、”具体と抽象”を使いこなせば、一つの学びを他の分野にも活かせるらしい…」

早速この思考法を実践してみることに。最初は難しいと感じましたが、実践を重ねていくうちに、大好きな海外ドラマがスキルアップの宝庫に変わっていったのです。

この記事では、細谷功さんの著書「具体と抽象-世界が変わって見える知性のしくみ」(dZERO,201年)や自分自身で調べた内容を参考に、どのように「具体と抽象」を活用して趣味を仕事に活かしたのか、私の体験したことを振り返りつつまとめます。

具体と抽象、それは思考のメガネ

そもそも、具体と抽象とは?

本によると、このような違いがあるそうです。

具体抽象
直接目に見える直接目に見えない
「実体」と直結「実体」とは一見乖離
一つ一つ個別対応分類してまとめて対応
解釈の自由度が低い解釈の自由度が高い
「実務家」の世界「学者」の世界

例えば、

具体…柴犬、三毛猫、セキセインコ

抽象…動物、哺乳類、鳥類

具体(柴犬)は、人によって捉え方が変わらないけど、抽象(動物)は人によって捉え方がいろいろありますよね。

青田さんの記事でいうと、

具体…Nizi Project

抽象…人材育成

ということになります。

たしかに、こうやって具体的な事象から特徴や概念を抽出できたら、何にでも応用できそう…!

「もっと具体的に説明して」「ちょっと抽象的すぎる」など、日常会話で何気なく使っていた言葉ですが、正直、「具体=分かりやすく」「抽象=曖昧」という意味合いでしか使っていなかったなと気付かされました。

細谷さんは本の中で、「抽象というのはわかりにくい、実践的ではない、といった否定的な意味で用いられていることが多い。けれど、抽象は人間の思考の基本中の基本であり、抽象化を制するものは思考を制す」と語っています。

「具体と抽象」を使いこなすことは、思考のメガネを手に入れるようなもの。このメガネをかけると、今まで見えなかった共通点や関係性が浮かび上がり、新たな視点やアイデアが生まれる、とっても便利なツールなんですね。

海外ドラマの宝箱から、仕事のヒントを発掘!

ではさっそく、この「具体と抽象」のメガネをかけて、趣味を仕事に活かす方法を実践してみます!

今回は、海外ドラマをWebサイト運営に活かす方法を考えてみました。

一つの事象を他に活かすためには、具体→抽象→具体という具体と抽象の往復が大切とのこと。

つまり、海外ドラマという具体から、共通する特徴や概念を抽出し、Webサイト運営の具体に落とし込むということですね。

この具体と抽象の往復を3ステップでやってみました。

1. 共通点を見つける

まずは、海外ドラマとWebサイトの共通点を見つけます。

それぞれを構成する要素を分解して、共通する部分を表にしてみました。

海外ドラマWebサイト運営
ストーリーテリングコンテンツ企画
キャラクター設定ターゲットユーザー設定
世界観ブランディング
音楽BGM設定
映像表現ビジュアルデザイン、バナー、動画

このように表にすると、一見関係ないように見えますが、実は多くの共通点があることが分かりますね。

さらに、海外ドラマとWebサイトを5W1Hに落とし込んでみると、「画面上で映像や音を駆使して、ターゲットとなる人々の感情や行動に影響を与える」ということに気がつきました。

2. 関係性と構造を理解する

共通点が見つかったら、それぞれ要素の関係性や構造を整理します。

この時、図にしてみるととてもわかりやすくなりました。

海外ドラマは大元となる世界観を表現するための手段として、ストーリーテリング・キャラクター設定・音楽・映像があるように、Webサイトも根底となるブランディングを表現するために、コンテンツやターゲット分析、BGM、ビジュアルデザインを検討していきます。

このように、俯瞰してそれぞれの要素の関係性を紐解くことで、広い視野でWebサイト運営について考えられ、活かすべき部分や優先順位づけをすることができました。

関係性と構造は切り口によって、対立・順序・上位概念-下位概念など、他にもいろいろ見つかりそうです。また、集合図や相関図など図化のバリエーションももっと身につけたいと思います!

3. ポイントを掴んで、応用する

いよいよ、抽象化によって得られた概念を、具体的なWebサイト運営の施策に落とし込むステップです。

例えば、「ストーリーテリング」という概念のポイントについて考えてみます。

自分自身が海外ドラマを見ていて、どんなところに感動したり、興奮したのかを思い出して、それに「ストーリーテリング」がどんな役割を果たしているのかを考えてみました。

  • 起承転結を意識した構成で、観ている人を飽きさせない
  • 登場人物の視点で物語を描き、共感を呼ぶ
  • 伏線を張り、ユーザーの好奇心を刺激する

これを、Webサイト運営に活かすと、このようなことができるかなと思いました。

  • 最初に問題提起をして、解決策を提示し、最後にまとめと行動喚起を行う
  • ペルソナが抱える課題や悩みをストーリー形式で紹介する。感情移入しやすいコンテンツで、ユーザーの共感を得る。
  • WebサイトやSNSで、新商品やサービスに関する情報を小出しにする。ユーザーの期待感を高め、発売日にサイトへ誘導する。

また、各作品からもたくさんヒントを得られます。

例えば、80年代アメリカの田舎町を舞台にした大人気SFホラー「ストレンジャー・シングス 未知の世界」。何回も観返した私の大好きな作品です。

ストレンジャー・シングスの魅力は、SFホラーだけでなく、青春ドラマの要素も融合した世界観と謎めいたストーリーテリング!そして、80年代の雰囲気を再現したレトロな映像美や当時の名曲を使った音楽演出など、若い世代だけでなく、当時青春を過ごした世代にも懐かしさを感じさせ、幅広い層を惹きつけています。

熱狂的なファンコミュニティがあり、ドラマの外でもファン同士が交流して熱がずっと続いている点も、特徴的ですね。

これらを活かすなら、以下のような施策が考えられそうです。

  • 続きが気になる仕掛けでユーザーエンゲージメントを高める
  • ターゲット層の好みや価値観に合わせた統一した世界観の構築
  • ファン同士の交流の場を作ることで、共感と一体感を生み出す
  • 共感を呼ぶ普遍的なテーマをコンテンツ制作に活かす

仕事も趣味も、より豊かに

「具体と抽象」の思考法を意識するようになってから、海外ドラマを見る目が変わり、仕事への取り組み方も大きく変わりました。

以前は、「趣味に時間を費やすのは罪悪感…」と感じていましたが、今では、海外ドラマを見る時間も、Webマーケターとしてのスキルアップの時間だと捉えられるようになりました。

なにより、好きなことを深掘りしていくことはとっても楽しい!仕事へのヒントが見つかるだけでなく、海外ドラマについて詳しくなり、今まで以上に楽しめるようになったのは、嬉しい効果でした。

仕事と趣味は、決して相反するものではありません。むしろ、互いに良い影響を与え合い、より豊かな人生を送るための糧となるはずです。

「これ、なにかに活かせないかな?」「仕事との共通点はないかな?」という視点をちょっと持つだけで、観ている世界がガラっと変わり、日常生活の中でたくさんヒントが見つかります。

あなたも、ぜひ「具体と抽象」の思考法を意識して、趣味と仕事の新たな関係性を見つけてみてください。きっと、毎日がもっと楽しく、充実したものになるはずです。

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